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オーケストラ席の音楽家たち(オーケストラの楽士たち)

 印象派の巨匠エドガー・ドガが手がけたオペラを画題とした作品の代表的な作例のひとつ『オーケストラ席の音楽家たち(オーケストラの楽士たち)』。ドガの父はアマチュアの音楽家で、週末に友人のオーケストラメンバーを招いていたので、ドガ自身、幼少から音楽に触れる機会も多かったが、ファゴット(木管楽器のひとつ)奏者デジレ・ディオとの交友によって、1860年代後半からオペラや舞台の雰囲気に強い興味を示すようになり、本作はその頃に描かれた作品のひとつである。

 本作では画面ほぼ中央から上下に舞台と演奏場が明確に分かれた(観客席から見た視点のような)非常に奇抜的な構図が用いられており、画面下部の極めて近接的な前景ではヴァイオリン奏者(左)、チェロ奏者(中央)、オーボエ奏者(右)の頭部と上半身が描かれ、それらはまるで肖像画のような趣を携えている。
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by tsukuba6 | 2017-06-10 11:38