印象派の画家アルフレッド・シスレー、イギリス滞在時期の代表作『モレジーの競艇』。

当時、熱心な収集家で著名なオペラ歌手(バリトン歌手)であったジャン=バティスト・フォールの招きにより1874年7月から4ヶ月間、イギリスへ渡航した際に画家が描かれた15点の作品の中の1点であるで本作は、ロンドン郊外のハンプトン・コートを流れるテムズ川内の島イースト・モレジーで開催された競艇(イースト・モレジー競艇)の場面を描いた作品である。
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テムズ川では数艇のボートによるレガッタ(複数の人数によるボートレース競技)がおこなわれており、手前の川岸にはおそらく選手であろう男たちが、奥の川岸にはそれを観戦する人々が描かれている。

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# by tsukuba6 | 2017-09-21 11:17
 質量に溢れた豊満な女性の肉体美。質量に溢れた豊満な女性の肉体美、輝きを帯びた豊潤な色彩などは、過去の印象主義的な表現からの確実な逸脱を示しており、それらはむしろ過去の偉大なる画家ティツィアーノやルーベンスなど古典的様式を彷彿とさせる。

 流々と色彩が震えるようなルノワールの晩年期独特の筆触を予感させる光の表現。ウィーン美術史美術館ノイエ・ガレリーに所蔵される本作以外にも同時期に制作された同構図・同内容の作品が3点確認されているが、本作はその中で最も初期に制作された作品であると推測されている。

 裸体の少女の傍らに置かれる帽子。本作の少女のような裸体の女性が濡れた髪を掻き上げながら、足を組み己の柔軟で弾力性に満ちた豊満な身体を拭くという姿の類稀な官能性は、絵画、特に画家の裸婦に対する、衰えるどころか益々高まってゆく情熱と力強い信念の表れである。
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# by tsukuba6 | 2017-09-11 12:00
 日本の給食制度を取材し評価した記事は、ワシントンポストやビジネスインサイダーなど複数の海外メディアで取り上げられている。そして最近はSNS上でも同様に日本の給食文化を高評価するビデオが多く視聴されている。海外から見たときに、日本の給食制度はいったいどう映っているのだろうか。

 日本の公立学校の給食現場は四つの点において特徴的であると考えられる。まずはその質の高さである。栄養面に最大限の配慮がされており、ほとんどの場合その場で一から料理されている。第二にその価格の安さ、第三に食育の場を設けている点、そして最後に子供たち自身に給仕を行わせている点でも特徴的なようである。この様に日本の公立学校に通っていると当たり前のような給食事情も、世界的にみると当たり前ではないことが多い。

 アメリカでは貧困層ほど安価で栄養価の低いファストフードなどに食が偏るため、そういった家庭の子供たちの肥満は深刻な社会問題になっているのである。それと比較して日本の給食は、栄養士による監修のもとで栄養バランスの考えられた献立になっている。つまり、一日に最低一回は滋養のある食事を子供たちに提供することを可能にしている。もちろん貧困や格差のもたらす問題群の根本的解決には至らないが、安価に栄養価の高い食事を学校で提供できる仕組みができあがっていることは、子供たちの健康をある程度維持する仕組みになっており、世界的にも評価される所以ではないだろうか。

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# by tsukuba6 | 2017-08-31 15:05
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 観る者と視線を交わらせる女性。1874年の第一回印象派展に出品され、批評家たちから好評を博した数少ない作品の中の一点である本作に描かれるのは、当時の女性らが最も華やかに映える場所のひとつであった劇場の≪桟敷席(劇場で正面に対して一段高く設けられた左右の席)≫での男女の姿である。

 他の桟敷席へと視線を向ける男。これらの行動は当時の近代生活における日常を見事に描写したものであり、その点でもこの頃のルノワールの作品の中でも本作は特に注目すべき作品として重要視されている。

 アクセント的に彩りを添える胸元の薔薇の花束。本作で最も注目すべき点は、白黒を色彩の基調としながら柔和で瑞々しい筆触による多様かつ輝くような洗練された描写にあり、女性の優雅な美しさを強調するだけでなく、女性そのものの魅力を観る者により強く印象付けさせることに成功している。

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# by tsukuba6 | 2017-08-21 17:31
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印象派最大の巨匠のひとりクロード・モネが後年に手がけた有名な連続作品のひとつ『積みわら、夕陽(積みわら、日没)』。

本作は、画家が1888年頃から手がけ始めた≪積みわら≫を描いた一連の作品群の中の一枚で、この頃の連作群で画家が一心に取り組んだ、(同一の)対象が刻々と変化してゆく様≪状態性≫、風景を特徴つける要因の時間軸≪瞬間性≫、周囲を包む光の効果≪大気性≫がよく表れている。

特に大ぶりの筆触や強く残される筆跡と大胆でありながら繊細さを感じさせる色彩によって表現される、積みわらが日没の陽光によって変化する状態、そして、それらを包む大気と光の様子の描写は、他の積みわらにはない壮観さを醸し出しているほか、夕日の中の積みわらの(光の効果による)おぼろげな印象が見事に示されている。

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# by tsukuba6 | 2017-08-10 11:38