裸体の少女の傍らに置かれる帽子

 質量に溢れた豊満な女性の肉体美。質量に溢れた豊満な女性の肉体美、輝きを帯びた豊潤な色彩などは、過去の印象主義的な表現からの確実な逸脱を示しており、それらはむしろ過去の偉大なる画家ティツィアーノやルーベンスなど古典的様式を彷彿とさせる。

 流々と色彩が震えるようなルノワールの晩年期独特の筆触を予感させる光の表現。ウィーン美術史美術館ノイエ・ガレリーに所蔵される本作以外にも同時期に制作された同構図・同内容の作品が3点確認されているが、本作はその中で最も初期に制作された作品であると推測されている。

 裸体の少女の傍らに置かれる帽子。本作の少女のような裸体の女性が濡れた髪を掻き上げながら、足を組み己の柔軟で弾力性に満ちた豊満な身体を拭くという姿の類稀な官能性は、絵画、特に画家の裸婦に対する、衰えるどころか益々高まってゆく情熱と力強い信念の表れである。
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by tsukuba6 | 2017-09-11 12:00